明日は来るのか?

日々の悩みやひとりごと

母が見ている私

母に関する、ほぼ最初の記憶は、家の前で母が近所の人と話している場面です。
 
 母が「上の子は優しいんだけど、下の子はわがままで」と言っていました。
 
 つまり兄と私のことです。
 
 私は、幼稚園に通っていたか、通う前だったか。
 
 もう少し大きくなっていたら、母の言葉にショックを受けたかもしれませんが、そのときの私は、ただ単純に母にそう思われているのかと認識しただけでした。
 
 兄と私は5学年違っていて、私が生まれたとき幼稚園に通っていた兄は、みんなに私のことを自慢していたそうで、母の中では、ずっと兄はそのときのイメージのまま「優しくて妹をかわいがるいいお兄ちゃん」、何かあるとめそめそする私は「わがままな妹」」なのです。
 
 私が小学生のとき、兄に、昆虫の標本を作るために学校で使う裁縫箱の中の待ち針を貸してほしいと言われました。
 
 本当はいやでしたが、そうは言えずに貸しました。
 
 いつになっても返してくれず、学校で裁縫箱を使う日の朝になって私が泣くと、母は今頃になって言うのが悪いと言いました。
 
 結局返してはもらえましたが、きれいだった針は錆びていて…
 
 大人になってからも、あるとき母が、喉が渇いたときに飴を舐めると乾きが癒えると言うので、私が「そういうときは水分を摂らないといけないんだよ」と言っても、本気にしていないのか返事もしませんでしたが、後日兄が同じことを言うと、「そうなのね」と感心していました。
 
 まあ、そういうことが度々あり、それが母の兄と私に対する見方なんだなあと思っていたわけです。
 
 そのイメージが去年の数々の出来事で完全にくつがえり、母もさぞショックだったとは思いますが。
 
 いくつか実例を上げましたが、それを嘆くためにこれを書いているわけではありません。
 
 高齢の母はちょいちょいめんどくさいことを言い出すし、体のことも心配ですが、とにかく私の言うことは聞いてくれないんです。
 
 一昨年熱中症になったときも、腰を痛めたときも、いくら病院に行こうと言ってもなかなか納得してくれず大変でした。
 
 父もそうでしたが、本人のためにと思って言っても、とにかく何を言っても耳を傾けてくれませんでした。
 
 それで放っておいて何かあれば、結局人は私を非難するわけです。
 
 母と二人きりの家族ですから、なるべくギスギスしたくないし、あまりうるさく言いたくもないんですが、言わずにおけないこともあるわけで。
 
 それ以外でも困ることや不安なことはいろいろあって、一人でどう対処すればいいのかさっぱりわかりません。
 
 もしも兄が母が思っていた通りの人だったならば、兄に言ってもらえば母も言うことを聞くだろうし、私も相談できたのにと思います。
 
 この7~8年、父と母が入院したり手術したり、大変なことがたくさんあって、そのほとんどに私は一人で対処してきたし、私がいなかったら大変なことになっていたに違いないのに、そこのところ、誰もちっともわかってないんですよね。
 
 こんなことなら、常日頃、ことあるごとに恩着せがましくアピールして、私のありがたみをとことん思い知らせておけばかよったと思います。
 
 「正直者が馬鹿を見る」って私のことじゃないですか?
 
 もう何もかもがめんどくさい。