私のフェイバリットソングは、ほとんどが80年代、90年代のJポップです。
岡村靖幸、オリジナルラヴ、KAN、久保田利伸、ピチカートファイブ、ブルーハーツ、マッキー…
父が亡くなる前後の数ヶ月は、なぜか頭の中で、いつもブルーハーツの「あの娘にタッチ」が流れていた、というか、ずっと頭の中で口ずさんでいました。
かわいい恋のうたですけど、メロディも歌詞もそのときの殺伐として不安で切羽詰まった気分にはまったくそぐわず、我ながら「なんで?」と思っていました。
葬儀の日、火葬場に向かうときは、母は位牌を持ってタクシーに、私は遺影を持って、兄たちと一緒にマイクロバスの一番前の席に乗りました。
そのときも、台風が近づく中、雨模様の窓外を眺めながら、ずっと頭の中で「♪ウーワーウーワータッタカタッタッター…」と。
もしかすると、孤独な心を慰めるための、あえての選曲(誰が?)だったんでしょうかね。
でも、うたの効果かどうか、初めての街並みや景色を眺めながらのドライブは、意外と楽しいものでした。
その後、火葬場でいろいろとバトル(?)があったわけですが、葬儀場へ戻るバスの中でも同じで、そのときは重い骨壺を抱えながら、ずっと頭の中で「あの娘にタッチ」を口ずさんでいました。
帰りは母と並んで座ったので、ときどき言葉を交わしながら、頭の中では相変わらず「あの娘にタッチ」を口ずさみ、ドライブが終わってしまうのが惜しいような気持ちでしたっけ。
今もまだ、あの頃ほど頻繁ではないものの、ときどき「あの娘にタッチ」が流れています。
♪ワンダーワンダーワンダー 不思議な心…
(甲本ヒロトもマーシーも、60歳を過ぎた今もカッコいいですよね)