明日は来るのか?

日々の悩みやひとりごと

ポンコツ葬祭ディレクターその② Bさんの場合

葬儀その他を取り仕切ってくれたのは、葬儀場の職員、葬祭ディレクター1級のBさん、中年男性でした。

「納棺の儀」のときも葬儀当日も、「本当はいけないんですが」と言いつつ、Aさんと同じく、帰りは家まで車で送ってくれました。

そうは言いつつ、近場はサービスで送ることになっているのかも、などと思いましたが、母と一緒なのでタクシーで帰るつもりでいましたから、ありがたいことでした。

そして、葬儀当日、控室で待っていたときのことです。

Bさんがそっと近寄ってきて、「『○○べ』さんという方がお見えです」と。

家族葬だし、誰にも知らせていないのに、しかもまったく知らない名前です。

香典だけ置いて帰ると言っているということで、不審に思いながら受付に行くと、見知らぬ中年女性がいました。

「誰!?」と思いつつ近寄って行くと、彼女は「○○川です」と。

つまり、Bさんが聞き間違えて、違う名前を教えてくれたのでした。

彼女は、葬儀場と同じ市内に住んでいる兄嫁のお姉さんでした。

会うのは20年ぶりくらいだったので、見た目だけでは私もわからなかったんです。

それにしても、「○○べ」さんって…

その後いろいろなことがありつつ、すべてが終わり、家まで送ってもらったわけですが、車から玄関に荷物を運んでくれる途中の階段で、ずっこけて荷物を取り落としそうになった、お茶目な(?)Bさんでした。

ところで、若い人は知らないと思いますが、AさんとBさんの名刺に書かれた「葬祭ディレクター1級」という文字を見るたび、「赤い霊柩車」という二時間ドラマの中で、たびたび大村崑が叫ぶ「1級葬祭デレクター!」というセリフを思い出してしまいました…