明日は来るのか?

日々の悩みやひとりごと

扉は二度と開かない

(↑ミステリ小説のタイトルみたいじゃないですか?)

私の家では、私が生まれたときから、ずっと何かしらの動物を飼っていました。

でも、去年の暮れに、最後の猫が16歳で亡くなってしまい、今私は、人生で初めてペットがいない生活を送っています。

私も母も動物好きなので、とても寂しいですが、両親が高齢で病気持ちで、いつ何があるかわからないし、経済的にも余裕がないので、今後ペットを飼うのは無理だと思います。

数年前に、両親が同時に別々の病院に入院したときは、猫のほかに大型犬も飼っていたので、その子たちの世話をしながら二つの病院に通うのは、本当に大変でした。

ちなみに、そのことを兄に言ったら、「愚痴が言いたいだけ?」と返されたんですけど、もちろん愚痴ではなく事実を告げただけです。

まともな感性の持ち主だったら、普通はそこで、たとえ心にもなくても「大変だったね」の一言くらい言うのがマナーだと思いますけど、バカはそうやって無駄に敵を増やしていくんだと思います。

話がそれましたが、タイトルは、その子たちより前にいた猫にまつわる話です。

その子は病弱で臆病で、繊細な男の子だったんですが、とてもフレンドリーな一面もありました。

その子の前にいたビーグルとは、ビーグルが猫に慣れていたのと(それ以前にも猫がいたので)、その子がまだ子猫だったこともあり、すぐに打ち解けました。

ビーグルが亡くなって少ししてから、私がどうしてもほしくて、迷った末にヒナから飼い始めた手乗りインコのことも、家族と認識して、いつも静かに見守ってくれました。

インコも、猫の鼻をチョンチョンとつついたりして、いい関係でした。

そこに、去年の暮れに亡くなった猫が来たわけですが。

その女の子は、最初は事情があって預かっていたんですが、結局、元の飼い主が放棄して、5歳でうちの子になりました。

その子がうちに連れて来られたとき、先住のお兄ちゃん猫は、玄関までいそいそと迎えに行きました。

ですが、連れて来られた子は、ケージの中で怒って唸り声を上げていました。

別にお兄ちゃんに怒っていたわけではなく、いきなり知らないところに連れて来られたことを怒っていたんだと思いますが。

でも、それを見たお兄ちゃんは、えらくショックを受けたようで、その後二、三日、食欲が落ちたくらいでした。

女の子は、うちの子になって落ち着いてからは、お兄ちゃんと仲良くなりたいようでしたが、そのやりかたが荒っぽかったこともあり(首にかじりついたり)、結局お兄ちゃんは、最後まで心を開きませんでした。

それ以外に、ほかの犬と接したときも、一度激しく吠えられた相手には、後からいくら「仲良くしようよ」とアピールされても、二度と心を開かないのでした。

最近気がついたんですが、私もその子と同じみたいです。

「この人嫌い」と思ったら、心の扉をバタンと閉めて鍵をかけて、二度と開きません。

でも、無邪気な犬や猫とは違って、私が相手を嫌いになるのにはそれ相応の理由があるので、間違っているとは思わないし、自分を守るために必要な手段だと思っています。

 

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