結局、兄と直接会って、二人できちんと話して本音が聞きたいという願いはかなわなかったわけですが。
最後の電話で、それなりに彼の本音はわかりました。
一方的にまくし立て、強引に話を進めようとして、二言目には仕事があるから云々と言うので、「なんで恩に着せるわけ?」と聞いたところ、「そっちはずっと三人でやって来たんだから」と。
ようするに、長年別々にやってきたのに困ったときだけ頼って来るな、みたいなことを言いたかったんでしょう。
たしかに、うちは自営業で、ずっと両親と私の三人でやって来ました。
両親が高齢で病気もあるので、もう廃業しましたが。
でも、兄の言い分は、今まで彼らも彼らだけでやって来た場合に限って通用するものです。
事あるごとに両親を頼り、ときには私にも一方的に役目を押しつけて来たことをすっかり忘れているようなので、手紙には彼が忘れてしまったらしい事実を書き連ねました。
挙げればきりがないので、主なものだけです。
結婚するときに、兄はお金がなかったので、両親に家具を買ってもらい、母が私にくれるはずだった指輪を婚約指輪として渡したこと。
最初の子の出産費用を両親に借りて、そのまま返していないこと。
家の頭金を、「将来一緒に住むから」という理由で両親に出させたこと。
有無を言わさず、私を長女の奨学金の保証人にならせたこと、それにつて、誰からも礼の一言もなかったことなどです。
ほかにも、明らかに兄の認識が間違っていることや、私が疑問に思っていることなども質問として書きました。
そして、私が彼についていろいろなところに相談したことも、相談した中で、「記録があれば頭金の返却を請求することは可能」と言われたことも。
もちろん、兄夫婦にそんな大金はないでしょうし、返してもらおうとも思っていませんが、一応、返却して、それで縁を切ってもらってもかまわないと書いておきました。
書いた手紙は母にも読んでもらいました。
もうとっくに手紙は着いていると思いますが、今のところ反応はありません。
事実しか書いていないので、反論のしようもないでしょう。
まあ、今回のことでまともな考えのできる人ではないことがよくわかったので、何をするかは未知数ですが。
これから何か仕掛けてくるのではないかと、ちょっと怖いです。
今の時点では、とりあえずちゃんと手紙を読んでくれていればいいなあと思います。
兄だけでなく兄嫁も。
読まずに破り捨てていたりしなければいいんですけどね。
私だって、兄がちゃんと対応してくれれば、ここまで言うつもりはなかったんです。
頭金のことなどは、どうにもならなくなる最後の最後まで言わないつもりでした。
でも、思っていたよりずっと早く、その「最後」が来てしまったわけで。
もう私と兄たちの関係が改善することは一生ないでしょうし、しなくてけっこうです。
彼らにとっては、もはや私は憎悪の対象でしかないでしょう。
理不尽な悪意を向けられることは辛いけれど、それでもどうしても間違いを正さなければないときがあるんです。
本当は、兄嫁に対してもいろいろ思うところはあるし、今回のことに彼女の意向が含まれていないとは思いません。
ですが、彼女についての言及は避けました。
それこそ、これ以上無駄に彼女の憎悪を掻き立てたくなかったからです。
結婚当初から、なぜか無条件に母と私を否定しようとして、なんならマウントを取ろうとするような人でしたから。
そもそも、どれだけ大金を出してもらってもお礼を言わない人って、人間としておかしくないですか?
あんな人たちが三人の子の親として、まともな社会人のつもりで堂々と生きているなんて失笑です。